学校で学ぶ意味
「学校で学ぶ意味とは何なのか。」
僕はこの話を学級開きの日にする。
これから「学校」で毎日毎日同じ時間を過ごす子ども達と、最も根本的な事を共有しておきたいからだ。
(ちなみに僕は教師になってから、教師になったからこの事を考えたけれど、子育てをする上で親も考えておくといいと思う。)
今世間では、
学校の教師の話を聞くより映像教材の方が質が高い
とか
集団を優先する学校では個性が潰される
などなど言われているわけである。
教師として、ここを子どもや保護者につつかれた時に、何も答えがないというのでは苦しいのである。
何らかの自分なりの答えを持っておきたい。
さて、みなさんなら何と答えるだろうか。
僕はまず子ども達に聞く。
「みなさんは何のために学校に来るんですか?」
勉強!
遊ぶ!
給食!
「なるほど。みんな目的が色々あるんだね。全部いいね。じゃあ僕が考えていることは、、。」
と話し始める。
勉強は家でもできる。塾でもできる。
遊ぶのは、家でならゲームもできる。友達とも放課後遊べる。
ご飯も家やレストランでも食べられる。
じゃあここ(公立学校)"ならでは"のことは?
それは、色々な人と関わるということ。そしてその中で学びがあるということ。
勉強も遊びも給食も、学校でできる価値あることだと思ってるけど、この"色々な人と関わって学ぶ"ということが公立の学校でしかできない1番価値あることだと思う。
家族は自分と多くの価値観を共有している人達。
塾にいる友達は、その塾を選んで来ている人達。
野球チームにいる友達は、野球が好きで集まっている人達。
つまりは自分と似たようなところがあったり、気が合ったりする人達ということ。そういう友達もすごく大切なんだけど、そうでない人達とも生きていく上ではたくさん関わっていく。
その人達とどのようにすれば上手に関わることができて、楽しい時間をつくることができるかを学べる場所は、たまたま近くに住んでいる人が集まった"ここ"しかない。
じゃあ、色々な人がいることでどのようなことが起こるか説明しよう。
・自分へのプラスの気づき
(自分すごい!・僕と似てる!等)
・他の人へのプラスの気づき
(あの人すごい!)
・他の人へのとまどい
(自分と違う・何であんなことするのだろう等)
・周りのために考える
・チームの楽しさを感じる
上の3つは、自分が特に何も意識して動かなくても、自然と感じること。
1番下は、結果的に感じること。
じゃああなたがやろうと思ってできることは、、。
・周りのために考える
ということ。
これをぜひ意識して動いてほしい。
その先に、色々な人達とチームワークよく何かをやるということの最高な楽しさが待っている。
そのために具体的にどうすればいいのかを学校で学んで欲しいし、僕はその楽しさをしっかり味わってもらえるような授業やクラスを作れるようにがんばろうと思う。
戸惑いを感じることもあると思うけど、それも大事な勉強。その後に自分はどうするべきか?ということを考える。
これを踏まえて、僕が目指すクラスは
「一人一人のよさが光るクラス」
これから1年間たくさん関わる中で、色んなことを感じて学ぶ中で、お互いのよさをたくさん知っている仲間になってくれたら嬉しいなと思う。
学年によって言葉の難易度は調整するけど、この話を必ずする。
これが、今のところ僕が考える
公立学校で学ぶ意味。
もしかしたら他の考えもあるかもしれない。大切なことは、教師や保護者が自分なりの考えを持っているということ。
言葉で伝えるにしろ伝えないにしろ、それを感じながら子ども達は進んでいく。
僕はこれを、学級開きの日にパワーポイントを使って子ども達に伝えている。
みなさんもみなさんなりの「学校で学ぶ意味」を持っておくことは大切だと思う。