ポッター教育研究所

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ついていくべき先輩の見抜き方

教師として働いて感じたのが、

「どの先輩についていくかはすごく大事」

ということである。

 

学年に複数のクラスがある場合、同じ学年の教師で協力して仕事をすることが基本となる。

 

何も考えなければ、ほとんどの時間をその人達と関わりながら過ごすことになる。

 

特に若手なら、同じ学年の先輩の影響を色濃く受けることになるだろう。

 

 

ただ、他の会社で言う部署や課のようなものに比べると、くくりは緩い。

 

学年や役割りは1年ごとにシャッフルされるし、やっている仕事内容は基本的には同じだからである。

 

そうなると、同じ学年には数人しかいなかった同僚(先輩)が、一気に何十人に増える。

 

 

 

この中から、ついていくべき先輩を見抜かなければならない。

 

 

 

学年以外の先輩に話を聞きに行ったり、アドバイスをもらいに行ったりするというのは、けっこう勇気のいることである。

 

めんどくさがられないかなとか、同じ学年の先輩に嫌な顔をされないかなとか。

 

 

それでも、自分のレベルアップを考えるなら、そんなことを言っている場合ではない。

 

他の学年にいる、すごく魅力的な先輩が来年度も同じ学校にいるとは限らないのだ。

 

 

ただ、やみくもに色んな先輩にアドバイスをもらえばいいという問題ではない。

そこが難しいところなのである。

 

 

 

僕は、ボランティアや講師などの経験が全くない完全ポンコツの状態で教師になった。

 

ひどいスタートだったが、それでも何とかここまで生きてこられた要因の一つに、この「ついていくべき先輩を見抜く力」には長けていたということがあるなと我ながら感じるのである。

 

 

もちろんフィーリングで自然とやっていたことだが、自分はどういうことを考えていたのかを振り返ってまとめてみた。

 

 

僕の思う「同じ職場の先輩から学ぶ」ことのメリットと、どうやって「ついていくべき先輩を見抜く」のかを紹介する。

 

 

 

同じ職場の先輩から学ぶメリット

僕は、セミナーでもなく、他校の先輩でもなく、本でもなく、SNSでもなく、同じ職場の先輩からの学びならではのメリットはけっこうあると思っている。

 

まずはそれを紹介する。

 

①その先輩の実際の仕事の姿を見れる

②自分が働いている地域や学校の様子を知った上でのアドバイスをもらえる

③自分の能力をある程度把握した上でのアドバイスをもらえる

④細かく頻繁に聞ける

 

 

どれも、実用性を考えた時にかなり重要な事である。

 

ビジョンをもちたい・ワクワクしたいというようなニーズならまだしも、具体的にレベルアップをしたい内容が決まっている場合は特にである。

 

お互いのことをよく分からない状態で行われるアドバイスがフワッとしてしまうのは仕方ないことで、そこから自分で自分にハマるように内容を取捨選択しなければならない。

 

同じ職場の先輩からなら、そのあたりも考えて、自分のためだけのオリジナルアドバイスをもらえるのだから、これはすごくありがたいことである。

 

 

 

ついていくべき先輩の見抜き方

それではいよいよついていくべき先輩の見抜き方に入っていく。

 

 

 

①実際子ども相手にどうなのか

僕達は子どもと関わる仕事をしている。

やはりそこが1番大切なのだ。

 

大人の中でどれだけ偉そうにしていても、子どもに通用していなければ意味がない。

 

僕はとにかくその人が実際に子どもと関わっているところを見るまでは心の底からは信用しない。

 

舐められてないかということもそうだし、子どもが楽しそうかということも大切である。

 

うまく管理できていてたとしても、子どもが楽しそうでないのであれば、僕の目指すところではない。

 

授業でも、子どもの前での話でも、普段の何気ないやり取りでもいい。

 

子どもの表情や目を見れば分かる。

 

とにかくその人が子どもとどうなのか。

そこは必ず確認が必要だし、その確認ができるのが同じ職場の最大のメリットでもある。

 

 

②具体的な質問に的確に答えてくれるか

自分がどうやっているか、どういうことを考えているかを教えるのは、割と簡単なことだ。

 

相手や状況がどうであろうと、言うことは変わらない。

 

話が具体的になればなるほど、的確にアドバイスするのも難しくなる。

 

その人を取り巻く環境やその人の実力を考えた上で実現可能な内容を選ばないといけないからである。

 

僕は、具体的な質問に対して、的確で具体的なアドバイスを返してくれるかどうかを重視している。

 

細かく具体的な事案に対して、具体案がポンポン出てくる人は、やはり実力者である。全てを網羅している証だからである。

 

(この先輩いいかな、、)と思ったら、とりあえず具体案な質問をしてみる。

・1年生の自己紹介をうまく回すコツは?

・体育の授業のはじめ方は?

・道徳で想定外の意見が出た時の対処法は?

などの具体的で細かい事である。

 

その質問に対して、僕が納得できてやってみようと思えるアドバイスをしてくれるかどうか。

 

それができてこそ一流だと思うのである。

 

 

③やってみてどうか

そしてそれをやってみてどうかである。

 

僕の経験上、一流の人のアドバイスは、基本的に一発でハマる。

 

それでも、自分に抜けがあった可能性もあるし、何度か追質問に行ってもいいかもしれない。

 

実際にやってみてうまくいかないのであれば、そのアドバイス自体がいまいちか、自分に合っていないかである。

 

一流ならば、僕に合う的確なアドバイスをくれるはずなので、どちらにしても不合格である。

 

とにかく質問してみてやってみてどうかである。

 

 

④成長しようとしているか

その人自身が、さらに成長しようとしているかどうかも僕は見ている。

 

現状をキープしようといているだけの人の意見は錆びていくのである。

 

成長しようとしている人は、誰の意見であろうと、良いものはどんどん取り入れる。

 

特に後輩の意見に対して、どういう対応をしているのかを見れば、そこが垣間見える。

 

 

 

⑤部分リスペクトもオッケー

僕は基本的に上のような方法で先輩達をふるいにかけている(すごく偉そう)。

 

当てはまる部分が多ければ多いほど、ついていく部分も多くなるわけである。

 

しかし、もちろん人間には得意不得意もあるし、教師という仕事は仕事内容が多岐にわたる。

 

部分リスペクトももちろんオッケーなのである。

 

基本的にはあまり真似しようとは思わないけど、この部分だけは尊敬できるという人もいる。

 

大切なのは、上の①〜④を踏まえて、どこまでの部分でついていくかを判断する事なのである。

 

この人には理科の実験のことだけを聞きにいくのか、それとも授業全般のことを聞きにいくのか、それとも教師としての在り方みたいなところまで聞きにいくのか。

 

僕がこれまででかなり影響を受けたなと思う先輩は数人だが、部分リスペクトで言えば逆にかなりの先輩から何かを学んできた。

 

何十人もの先輩の要素が僕の中で生きている。

 

ただ、ついていく濃度は間違えてはいけないのだ。

 

 

 

まとめ

どうだっただろうか。

 

自分からガンガン後輩に関わっていこうとする人もいれば、能ある鷹が爪を隠している場合もある。

 

雰囲気や周りの評判に任せるのではなく、しっかり自分の目で判断することが大切である。

 

それからはじめにも書いたが、僕は特に学年外の先輩に話を聞きにいく時には色々とケアはしている(つもりである)。

主に先輩同士の兼ね合いである。

 

他の先輩がいないタイミングを狙ったり、他の業務質問とかこつけて聞きにいったりである。

 

長い目で見て、色んな人から、色んな要素を盗んでいこうと思ったら、そのあたりの作戦も必要になる。職場内の人間関係観察も欠かせない。笑