洋画を教材化する方法
小学校での英語学習に必然性をもたせるのはかなり厳しい。
これについては考えに考えたのだが、残念ながら今のところ
「小学生が小学校で学んだ英語を、小学生の時点で世の中で体感できる瞬間はほぼ無い」
という結論に至っている。
これは残念なことなのだが、残念で終わっている場合でもない。
どうしようか考えた結果、
「生の英語を授業の中で体験させてやる機会をつくる」
ことが、せめて「僕に」できることだなというところに落ち着いた。
その活動の一つとして、洋画を教材にしてみようと考えたわけである。
今回は「ハリーポッター と賢者の石」を教材化した流れと、授業してみた感想を紹介する。
①映画を見てひたすら使えそうなシーンを探す
まずは使えるシーン探しである。
ハリーポッターと賢者の石の場合、使えるシーンは3つであった。
これは意外にも少なくて驚いた。
小学5.6年生でも分かる英語をいくつか含むまとまった会話となると、意外とこんなものだったのである。
口が見えた方がいいかと思ってハリーポッターを選んだのだが、もっと簡単な会話がたくさん使われていそうなアニメでも良かったかなと今は思う。
シーンを選ぶ時のポイントは、とにかく子ども達が分かるということである。
最悪何回か聞けば分かるというレベルでもいいが、できたら一発である程度分かるのがいい。
小学校での勉強を頑張れば、英語の映画も聞き取れるようになるんだ!
という体験をしてほしいのである。
②選んだシーンを切り取る
選んだシーンだけをどうやって切り取るか考えたが、いいアイデアが思いつかなかったので、
そのシーンをテレビで流してその画面をビデオに撮る
という原始的な方法で選んだシーンを切り取った。
授業内で使う分には、著作権的にはオッケーなのだが、不細工なのでいいアイデアがある方は教えてほしい(DVDの映像を切り取ってデータにする方法)。
③ワークシートづくり
ここから、そのシーンを使ってどのように教材化するかを考えた。
ただ見て聞くだけでは面白くない。
今回は、日本語の原稿にいくつかの穴抜きを入れたワークシートを作った。
④やってみる
・まずは主旨&登場人物&シーンの説明。
ハリーポッターを知らない子も場面をイメージできるようにする。
・みんなとりあえず見てみたいだろうから、1回流して見てみる。
・穴抜きのところのセリフに注目して見てみる。
・分かった気がする子に聞いてみる。
・小分けにして見てみる。
・全体を通して見る。
シーンにもよるが、大体こんな感じである。
一つのシーンを何回も見た。
はじめは全く分からなかったところも、答えを知った上で見ると結構分かる。
⑤感想
5.6年生でやったのだが、やはり語彙が少ないので、僕達大人と比べて文脈判断も難しく、難易度は高かった。
3つのシーンを選んだが、5年生は難しかった1つをカットして2つにした。
ただ、簡単に分かる言葉もあったし、分かった上で聞くとよく聞こえたみたいである。
教科書のリスニングは分かりやすいようにゆっくりはっきり話してくれるが、生の会話はすごく早いしリンキングもある。
これが本物かと感じる体験にもなったようである。
けっこう手間もかかったし、どうだったかなーと思ったが、子ども達の振り返りには
「ハリーポッター を英語で見れてうれしかった。」
「すごく早かったけど、だんだん分かった。」
「もっと英語が上手くなりたいと思った。」
などポジティブな感想がたくさん書いてあったので、やって良かったなと思うし、また作ろうと思う。
やるなら何がいいだろうか。
トイストーリーとかいいかなー。