ポッター教育研究所

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「死人目標」と「行動目標」

今回は、子ども達に目標を持たせる時に、教師(親)が意識すべきことを紹介する。

 

 

 

目標を、大きく二つに分ける。

「死人目標」と「行動目標」である。

 

「死人目標」というのは、死人でも達成できる目標のことを指す。

 

例えば、しゃべらないとか、人を叩かないとかである。

 

「行動目標」というのは、名前の通り、行動を伴う目標である(ということは死人にはできない)。

 

 

もうお分かりかもしれないが、僕達は「行動目標」を設定してやらなければならない。

 

 

しかし、これが意外と難しい。

 

低年齢の時ほど多動の子どもが多く、そして動くことによるトラブルが多いので、意識していないと、小学校の教師や児童幼児の親は「死人目標」ばかりを設定してしまいがちなのである。

 

 

 

では、どうして「死人目標」ではなく「行動目標」を設定すべきなのか。

 

 

最大のメリットは、達成した時にきちんと評価をしてやれるということである。

 

 

例えば、「イラッとしても人を叩かない」という死人目標を設定したとする。

 

この場合、何もしていない時と、目標を達成した時で、動きに変化がない。

 

そうなると、目標を達成して、評価してやるべき瞬間を見逃してしまう可能性が高くなる。

 

 

僕なら、「イラッとして人を叩きそうになったら、叩く前に僕のところに言いに来る」という行動目標を設定する。

 

これなら、目標を達成した時には必ず評価してやれる。

 

考えていることや感じていること全てを外から把握するのは難しいが、行動なら確認しやすいのである。

 

 

 

もう一つのメリットは、動かしてやる方が、子どもにとっても分かりやすいということである。

 

目標を達成するためにがんばろうとしている子どもにとって、動きを止めるとか、何もしないというより、何か動きがある方が目標達成が明確である。

 

自分にとっても分かりやすく、教師(親)にもアピールしやすい。

 

がんばろうとしている子が、がんばりやすいのである。

 

そうして目標達成する瞬間が増えたり、目標達成する人が増えたりすると、相乗効果が生まれやすくなる。

 

 

 

普段の小さな瞬間全てで行動目標にこだわるのは難しい。

 

でも、いつもより少し意識を高めてほしい時には、「死人目標」ではなく「行動目標」を設定するようにしている。

 

そして、目標と評価はセットである。

 

気合を入れて目標に向かわせるなら、気合を入れて評価してやらねばならない。

 

 

「しゃべらない」ではなく「目を見て聞く」。

「ずらさない」ではなく「線に合わせる」。

 

そしてできている時には細かく評価をいれてやる。

 

 

「死人目標」でなはく「行動目標」を設定してやることで、目標をぼんやりさせることなく、一つ一つ確実にレベルアップさせていきたい。